挑戦者現る
- 15 カリスマ
- 10 ライフ
- 10 コスト
- 8 出撃数
- 32 討伐数
- 180 経験値
- 500 ゴールド
ゴブリンとの戦いの最中、剣が鈍ることを嘆いていたユリアンのもとに、ひとりのオークが現れた。格闘家のベストラである。前回の魔界武術大会で優勝した王子の腕を確かめたくて、挨拶代わりに手合わせを挑んできたのだという。礼を欠いた襲撃ではあったが、オークにとって戦いは尊敬の表明でもあった。 彼女には悩みがあった。オークの力の源である「怒り」を、他の同族のようにうまく引き出せないのだ。馬鹿にされ、悔しさを噛みしめながら努力を重ねたが、オーク最強の戦士アナトリアには歯が立たなかった。人間の豊かな感情の下で学べば、その力も目覚めるのではないか。そう考えて、ベストラは王子軍への入門を願い出る。 王子軍での日々は、彼女にとって発見の連続だった。力比べで兵士たちと競い、リンの過酷な朝練に自ら加わって、倒れそうになりながら走り続けた。溶岩地帯での修行では熱気に追い詰められ、闘志の片鱗を見せたものの、その力は長く続かなかった。 最後に頼ったのは、アリスの活丹法である。息を乱さず全身に酸素を送る特殊な呼吸の中で、意識が遠のきかけたそのとき、ベストラは再び力を呼び覚ました。それは怒りに任せた荒々しいものではなく、穏やかで暖かい闘志だった。仲間たちは、それこそがベストラらしいと頷いた。 そして彼女はアナトリアに挑んだ。敗北はしたものの、アナトリアは一撃の重さを認め、「あんたは強い、胸を張んな」と告げた。怒りの力など意識したことがないと言い切るその言葉に、ベストラの胸のつかえはようやく解けたようだった。いつかあなたを超える日まで、と彼女は誓った。