平穏なバレンタインを求めて
- 25 カリスマ
- 30 ライフ
- 10 コスト
- 8 出撃数
- 28 討伐数
- 150 経験値
- 700 ゴールド
バレンタインの朝、ローリエは「毎年トラブルに追われるのはもうたくさんだ」と考えた。グルメジャングルを避け、懇意のカカオ農園で材料を仕入れようとした彼女たちを待っていたのは、暴走する魔界カカオの群れだった。現れたグレーターデーモンによれば、その木を仕入れたのは農園の主人で、管理の責任は農園にあるという。やれやれ、と言いたくなるような成り行きである。 戦いのさなかに知らされたのは、魔界カカオの妖精フォラスの存在だった。彼は女性の恋心を強制的に暴走させ、王城の空気は一変する。王子を巡って堕姫やヒルデ、ツキコが睨み合い、チョコレート騎士団は昨日までの誓いを忘れて立ちはだかった。ラタトスクははぐれ、自由を愛する者たちは長期休暇を要求して騒ぎ立て、鬼刃衆は魔界カカオを煎じてゾンビのように起き上がってくる。世界は少しずつ、甘い靄に浸されていった。 世界樹の前でフォラスと向き合ったローリエは、恋は他人に強制されるものではなく、踏み出す一歩は自分の意思でなければならないと告げる。フォラスは敗北を認め、ラタトスクは罰の代わりに一つの案を示した。それは、カカオ農園の厚意でフォラス印のチョコレートを無料で配るプレゼント会だった。想い人へ贈る者たちの列はどこまでも続き、王子は食べすぎて、そのまま倒れてしまう。 フォラスは「なぁに、死にはしないよ」と言い残し、魔界へ帰っていった。「ハッピーバレンタイン」という一言だけを残して。